普段ゲームをプレイする方のみならず、普段あまりゲームはやらない方からも大注目であっただろうドラクエ3リメイク。
私もPS5版を予約購入し、発売日からプレイ。10日程でトロコンまでプレイし終え、先日トロコン・実績コンプの解説記事も投稿致しました。
今回はそれに続いて、ドラクエ3リメイクをプレイした感想と評価を正直に書いていこうと思います。
ちなみに筆者のドラクエシリーズのプレイ歴は1(FC版・PS4版)、5(SFC版・DS版)、7(3DS版)、9(DS版)、11(PS4版)です。ドラクエ3は未プレイでドラクエ3リメイクが初プレイとなります。
ビアンカ以外に嫁はいません。
最初に申し上げておきますと、ゲーム自体は楽しめましたが、批判要素は多めです。また、記事の性質上ネタバレも含んでいます。以上の要素が苦手な方、避けたい方はブラウザバック推奨です。
ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ...について
メーカー | スクウェア・エニックス |
対応プラットフォーム | Nintendo Switch™ / PlayStation®5 / Xbox Series X|S / Steam® / Windows |
発売日 | 2024/11/14 |
ジャンル | RPG |
プレイ人数 | 1人 |
希望小売価格 | ¥7,678 |
1988年に発売され、当時社会現象を巻き起こした伝説的RPGをHD-2Dの技術を用いて、現代に蘇らせたものが本記事で取り上げるドラゴンクエストⅢ そして伝説へ...です。
原作をベースにHD-2Dの技術で忠実に再現し、リメイクからの追加要素がいくつか加わったものになっています。
追加要素は主に以下のものとなっています。
- 新職業:まもの使い
- 新要素:フィールドのキラキラ
- 新要素:はぐれモンスター
- ミニゲーム:モンスターバトルロード
- 隠しマップ「ひみつの場所」の追加
- 裏ダンジョン追加
- 新ボス・新モンスター追加
- 父オルテガのエピソード追加
- 一部ボイス追加
- その他、システム面や戦闘面に細かい変更点や追加要素多数有り
ドラクエⅠ、Ⅱ、Ⅲによって構成されるロト三部作のラストの作品ですが、ロト三部作の時系列はⅢ→Ⅰ→Ⅱとなっています。ⅠとⅡに関しても、HD‐2Dリメイクされたものが2025年中に発売されることが決定しています。
また、2024年12月6日には、Xの公式アカウントにてドラクエ3リメイクの全世界出荷・ダウンロード本数が200万本に達したことも報告されました。
200万本達成おめでとうございます!
評価
現代でも面白いオリジナルドラクエ3の要素、全く面白くないリメイクの追加要素。
上記の言葉が今作の出来を全て表していると思っています。もっと単純に今作の出来を表すとしたら、ただの調整不足。
ドラクエ3という素材の味はいいおかげで楽しめはしましたが、リメイクからの追加要素であるラストダンジョンが苦痛だったせいで、私の中ではイマイチな感じで終わってしまいました。
面白くはあるんだよ、ゾーマ討伐までは。
個人的に点数をつけるとしたら65点。良作というには余りある感じですが、だからといって凡作と言うほどつまらなかった訳でもありません。少なくとも酷評するほど酷い出来ではないです。
もっと細かく言えば、ゲームクリアまでは80点、クリア後は40点で、総合点は65点といった感じですね。
ちなみに筆者は予約購入のため、フルプライスで購入しましたが、この内容でフルプライスの価値があるかと言われたら、正直ないです。
Ⅰ&Ⅱ込みでなら納得できたかもしれませんが、これではⅠ&Ⅱは様子見が良いかも...
では、具体的に何が良くて何がダメだったのか、個人的な感想や見解を述べていきます。
良かった点
クリアまでのゲーム体験
もっと詳しく述べると、ゲームクリアまでは〇。クリア後~しんりゅう討伐までは許容範囲。しんりゅう~裏ボスまでは調整不足。
ですが、ドラクエ3初プレイなのもあって、ゲームクリアまでは非常に楽しかった。
いざないの洞窟を抜けてから突如訪れる広大な世界。船を入手し、地図を見ながら町やダンジョンがありそうな所を巡る旅。そして、バラモス討伐後に始まるアレフガルドの世界。
巡るところがいっぱいですね。
ネタバレとかプレイ動画を見たことがなくてもある程度は知っていましたが、それでも楽しめました。世界地図を眺めながら各地を巡るというのは、まさしく冒険をしているといった感じで、ベースがファミコンのゲームとは思えなかったです。
また、筆者はバッチリ冒険でプレイしましたが、ゾーマ到達までレベリングをしなくても進められたのも〇(入念に探索し過ぎたのはあるかもしれませんが...)
レベリングに気を取られることなく、ストーリーや探索を快適に進めることができました。
クリア後~しんりゅう討伐までは、雑魚敵の強さが急上昇。ステータス上昇は当然ですが、複数回行動や状態異常を高頻度で使ってくるのがストレス。ですがまだ許せなくもない程度。
しんりゅう討伐後のラストダンジョンである、試練の神殿に関しては後ほど。
オーケストラアレンジされたBGM
BGMに関しては流石スクエニ。相変わらず非の打ち所がなく、ゲームプレイと見事にリンクしたBGMを提供してくれます。
個人的なお気に入りのBGMはフィールド散策時に流れる「冒険の旅」。
ドラクエ3の広大な世界を巡る旅路と、オーケストラアレンジされたBGMの重厚な音色が完璧にマッチしており、ドラクエ3初プレイなのもあって、本当に冒険しているかのような気分に。
フィールド散策時に流れるということで、プレイ中のかなりの時間はこのBGMを聴いているとは思いますが、ゲームクリア後でもずっと聴き続けられる魅力的なBGMでした。
(スクエニは)レベルの高い合格点を超えるBGM オールウェイズ提供してくれる
ボイス追加
賛否両論といった感じのボイスの追加に関してですが、個人的には良かったです。
ドット絵キャラクターにボイスが付いているというあまり馴染みがない光景で、恐らく違和感を抱いた方が多いでしょう。
私も、最初に主人公の母親が喋ったときは、「ぉぉ...」という感じで正直困惑しました。ですが、中盤辺りで見慣れてきたのか、違和感は感じなくなり、すんなりボイスが入ってくるように。
声優陣も豪華で、主人公ルックスAの檜山修之さんは「BLEACH」の班目一角などを担当された方。主人公ルックスBの皆口裕子さんは「ドラゴンボール」のビーデルなどを担当されています。
私はルックスAでプレイしましたが、ルビスの剣を使用した時に発する「いけぇぇっ!!」の勢いの良さと、その後に降り注ぐ雷の演出が上手くリンクしており、超気に入ってしまいました。ちょっと特殊な理由ですが、この点でボイスがあって良かったと思えたのかもしれません。
そもそも班目一角が好きすぎる
そしてゲーマーの方なら「メタルギアシリーズ」のスネークでお馴染み、大塚明夫さんがゾーマを担当。耳心地のよい迫力ある低音ボイスは、ラスボスに相応しい威厳を放っていました。
賛否両論点
HD-2D技術によるグラフィック
正直最初は、「なんか思ってたのと違うな」という印象でした。なんならちょっと微妙だなとも。この理由としては、2021年に公開された最初のトレーラーから大きくビジュアルが変更されている影響でしょう。
最初のトレーラーを見た時に、「おっ、オクトパストラベラーみたいな感じでリメイクしてくれるのか!!」と感動していたのですが、いざプレイしてみるとドット絵要素はだいぶ控えめで、3D要素強め。
思っていた以上に解像度が高いものが来ちゃった...
別にグラフィックの出来が悪いとか、見るに堪えないとかそういうことを言いたいわけではありません。ドラクエ3の世界を表現したグラフィックは間違いなく美麗で、細部にまでデザインをこだわっているのは十分伝わってきました。
ただ、個人的な意見として、過去のHD-2D作品はドット絵要素をベースにし、必要に応じて3D要素を取り入れている印象でしたが、ドラクエ3リメイクはその逆。3D要素をベースにドット絵要素を取り入れている様に感じました。
筆者がドット絵信者なのは否めない
もちろん、HD-2D技術で再現された新たなビジュアルには新鮮かつ美麗で、完成度が高いのは確かです。しかし、ファミコン時代の伝説のゲームに、ドット絵でしか引き出せないあのノスタルジックな雰囲気を求めていたプレイヤーも少なくなかったのではないでしょうか。
難易度選択に関して
ドラクエ3リメイクでは、難易度が3つ用意されており、最初に選択した難易度以外も後からゲーム内で変更できます。
最高難易度「いばらの道だぜ」は、敵ステータス強化+取得経験値、ゴールド減少という仕様。敵ステータス強化は当然として、問題は取得経験値減少。
敵が強いなら経験値も増やせ、とは思いませんが、減らす方向に持っていくのはプレイ時間の遅延でしかないので違うかなと。
これに関しては色々意見が分かれそうですが私は反対です。
また、イージーモード「楽ちんプレイ」は衝撃の仕様。なんとHPが0にならないので絶対に死にません。おそらくはRPGをあまりプレイしたことがない人向け。
そういった人に向けた選択肢を用意するというのは悪いことではないと思います。話題性も抜群のゲームですので、普段ゲームをプレイしない方が興味を持って、プレイする可能性もあり、新しいプレイヤー層を取り込むことにもつながるかもしれません。
そのため、こちらに関しては私は賛成です。
全員が納得できる調整って難しいよね...
悪かった点
新職業:まもの使い と戦闘バランス
まもの使いが習得する特技が強い。ただただ強い。
プレイした方なら誰もが気づくであろうまもの使いの特技、ビーストモード+まものよびのコンボ。
デメリットなしで数ターン2回行動可能にするぶっ壊れ特技「ビーストモード」と、仲間にしたモンスターの数に応じて強化され、キャラのステータスに依存せずランダムで敵にほぼ固定のダメージを4回与える「まものよび」。
この2つ、特に「まものよび」が優秀過ぎました。
先ほども述べたように「まものよび」は、ランダムな敵相手に4回攻撃という特技ですが、そもそもランダムで4回攻撃というだけでも十分優秀。そして基本的に単体相手であるボス戦では、実質無条件4回攻撃です。これが消費MP8で発動可能ということで、超低コスト。しかも習得条件は、はぐれモンスター保護10体と、非常に簡単なため序盤から習得可能です。
でも、威力の方はお低いんでしょ?
そんなことはありません。習得時点でも、勇者が40~60ダメージ位に対して、100近いダメージ。
ビーストモード発動かつ全モンスター保護で700×2=1400前後。これがステータスに依存しないため、習得後に転職しても強力な特技のままです。
周りが半分以下のダメージで頑張ってる中この火力...!!!
「ぶっ壊れ特技をゲーム内に用意するな!」と言いたいわけではありません。過去作でも、"このコンボor特技or呪文が最適解!!"というのはあったわけですが、今作はいくらなんでも習得時期が早すぎます。
また、他の物理攻撃技がダメージ計算式変更の影響(※敵の防御力の調整に問題があるとも)により、軒並み空気と化しているので、あたかも「まものよび」が最適解となってしまうようにデザインされているのが問題。
勇者はまもの使いになれません。可哀想な子。
そこまで言うなら「まものよび」を使うなという意見も出るでしょう。ですが、普通に考えてゲームをプレイする大半の人は縛りプレイはしません。縛りを設けるというのは、あくまでもやりこみ要素の一つであって、通常プレイの範疇で要求されるべきものではないと思います。
追加された裏ダンジョン
ドラクエ3リメイクの問題児、試練の神殿。
本作のラストダンジョンである試練の神殿は、東、西、南、北西、北東に用意された5つの試練を攻略することが目標となっています。
まず問題なのが、北西と北東の試練。この2つの試練では武器種縛りがあり、北西では爪とブーメラン、北東では杖と斧を装備しないと与ダメ低下、被ダメ増加のデメリットが課されます。
職業によっては指定の武器を装備できない場合があります。転職するとレベルが1にリセットされるにも関わらずです。
上記のものに加え、試練の神殿の推奨レベルは80。雑魚敵が今までとは桁違いに強くなります。正直最後の裏ボスよりも、道中の雑魚敵の方が運が悪ければ死にます。(前述の状態異常の行動回数が多いのも相まって)
縛り無視のデメリットはLv80、最強装備の主人公が通常攻撃でやられるレベルです。
西の試練では特定のアイテム納品が試練内容。ここで待ち受けているのが1個4万ゴールドのエルフのみぐすり25個要求。実質100万ゴールド要求です。
東と南の試練ではクリアするのに、はぐれモンスター保護100体と小さなメダル105枚取得が要求。どちらも攻略サイト眺めながらでないと超面倒です。収集品はおまけ要素であるべきと思いますが、ここでこの数字を要求してくるのはちょっと不親切な気も...
金策として用意されたとしか思えないモンスターバトルロード
このミニゲームを一言で表すと、シンプルにゲーム性がなさすぎる。
リメイクの追加要素、モンスターバトルロード。仲間のモンスターを3体選んで相手と戦わせるという内容のミニゲームになっています。
戦わせると言っても、AIが勝手に戦うだけ。戦略性皆無。
はぐれモンスターに育成とかいう概念は存在しないので、弱い仲間モンスターは一生弱いまま。戦略性も一切ないため、相手モンスターとの圧倒的ステータス差の前では使えるモンスターはほぼ限られてきます。
周回要素等もなく、初回クリア報酬は意外とおいしいですが、2回目以降はゴールドのみ(ランクSSSの場合、戦闘は最大4回で勝利数×33333ゴールド)。
前述した試練の神殿のエルフののみぐすりのための金策に使ってね、と言わんばかりの報酬です。
以上の要素からわかる通り、このミニゲームに戦略性とかゲーム性とか周回するメリットとかはほぼ存在しません。1回やってそれっきり。絶対これじゃダメでしょっていう完成度だと思うのですが、プレイした方々、いかかでしょうか?
その他
その他、わざわざ項目をつくる程ではないけど不満だった点、悪かった点を一気にまとめます。
- 異様な逃走率のはぐれメタル
- 一切使うことがない「思い出」という機能
- 視点移動ができないカメラ
- 「超はやい」でも若干遅い戦闘スピード
- 恐らく高めのエンカウント率
- 遅すぎるラーミアと船の移動速度
はぐれメタルに関しては、体感で「よく逃げるなー」と思っていたら、どうやら本当に逃走率が上昇しているらしく他の作品では62%に設定されているそうですが、今作は75%に設定されているみたいです。なぜ上げたし。
メタルキングがいないのに、逃走率上昇させるのはホントにどうして?
「思い出」機能については、本当に謎機能。一切使うことがなく、誤爆する時があったので正直邪魔でした。
また、3DS版のドラクエ7ではできていた視点移動が、ドラクエ3リメイクではなかったのも地味にストレス。3Dゲームなら視点移動はやはり実装されていてほしい。
戦闘スピードに関しては上の通りのため省略。
エンカウント率は明らかに高いと思います。マップの広さに対してキャラの歩幅が小さいからが理由と予想。
...と、結構挙がりましたが、一つくらいはアプデで改善してほしいところ。
まとめ
伝説のRPGのリメイクということで、正直、ハードルがあまりにも高すぎるというのはありました。しかし、それを考慮しても、もう少しどうにかできたでしょ。というのがプレイした感想です。
実際。私のみならず批判が多く見受けられるのは事実ですので、開発陣がプレイヤーの声を真摯に受け止め、次のドラクエⅠ&Ⅱリメイク、そして来たるシリーズ最新作ドラクエ12の開発に活かしてくれることをシリーズファンとしてただ願うばかりです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。また別の記事でお会いしましょう!
町の名前変わるの知らなくて、くしかつたなかバークになっちゃった...